千里の道も一歩から

日々徒然。

家を片づける――vol.2書類を捨ててみた

くしゃみと鼻水が止まらない日が続いている。
急に肌寒くなってきたから、風邪でも引いたのだろうか。すっかり秋だ。

先週末、なんとなく思い立って溜まっていた昔の書類を処分した。まだ三分の一くらいは残っているのだが、だいぶ少なくなった。
サークルの議事録、授業のプリント、コンサートで使った楽譜、企画書etc.
出るわ出るわ。捨てるために中身を確認したりホッチキスを外したりするわけだが、見てると懐かしくなってくる。
主に3年前のやつが多かったけれど、よく残ってたなぁと思う。
ただ、その頃のものがいまだに残ってるくらい、あの頃の自分は手一杯だったんだろうなぁとも感じる。
あの頃の自分が、どうやって生活していたのか、あんまりよく覚えていない。物理的に、どういう時間の使い方をしていたんだろうと感じる。
あの書類たちは、今までずっと手をつけられなかった。片付けなければいけないことはわかっていたけれど、どうしてもやりたくなかった。
面倒くさいというのもあるけれど、それ以上に、当時の自分に向き合うことが嫌だったのかもしれない、と今は思う。
だって、どうしようもなく、情けない。

あの頃私は、「誰か」に認めてほしくてしかたなかった。自分で自分のことなんてどうやっても認められなくて、むしろ大嫌いで、だからこそ、他人に求めた。好かれたくて、あいされたくて、でも本当に自分を好きだという人のことは信じられなかった。
自分自身でさえ、自分が重くてしかたなかった。
誰より好かれたいくせに、あいされることに怯えていた。怖くて仕方なかった。どこまでも。どうしようもなく。
誰とも向き合うことができなくて。過去に逃げた。
何度も繰り返す地獄の中で、次第に生きていくことさえ面倒になった。どうして死んじゃいけないのかわからなかった。
自分の中にある虚しさに、向き合いたくなくて。逃げ続けた。だって怖い。


救われたいくせに、本当は救われたくなんかない。矛盾した感覚に板挟みだった。
本当に、どうしようもなかった。


そこから出る鍵を持っていたのは、他でもなく、自分自身だった。自分が持っていた。


あの頃、「わかる」と返事したけれど、本当は何一つ、わかっちゃいなかった。
わかっちゃいなかったことさえ、わかっていなかったから。

いまだって、本当は怪しいものだ。
あの頃より、少しは成長しただろうか。


そうして今、残っていた書類を捨ててみて、気づいたことがある。

なんか、なんというか、家の中が『静か』なのだ。無音の音が減った感じ、とでも言えるのだろうか。
モノが発していた音が、少なくなったように感じる。


もっと、モノが減ったら、少なくなったら、あの部屋は、さらに静かになるのだろうか。
家にいて落ち着けるようになるのだろうか。


広げてみよう、自分のなかにある穴を。
広げて、掘り下げて、中に潜ろう。
思い切って、飛び込んでみよう。
何が出てくるかわかんないけど。